最先端の自然科学を学ぶ学部
農学部と聞くと、なんだか農家になるための勉強をするところのようで少々野暮ったいイメージがありますが、実際には大変人気の高い最先端の自然科学を学ぶことができる学部となっています。
同じ自然科学系の学部として分類されているものとしては、理学部や畜産系学部、水産学部や工学部といったものがあります。
このうち「理学部」は数値や科学をもとにした自然現象を全般的に学ぶことができる総合学科となっています。
農学部や畜産系学部、水産学部はそうした理学部として勉強する分野のうち、特定の分野に特化した専門的な学部ということになるでしょう。
ちなみに、最近マンガやドラマ、アニメなどで度々登場する「獣医学部」も医学系の学部ではなくこの自然科学系の学部として分類されています。
農学部で取扱されるのはヒトの健康に直結する食品に関する分野ですから、就職先としても今後はより需要が高くなっていくことと予想されます。
実際に食品会社での研究職や品質管理業務、開発業務などの仕事でも農学部で学んだ知識を活かすことができます。
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農学部で学ぶ主な内容
農学部では、主に農産物を作るための学問をしていくことになりますが、実際にはそれだけを学ぶのではなく畜産や水産など他の食品に関する学問とも密接に内容を絡めながら勉強をしていくことになります。
特に農学部は田んぼや畑といった自然のしくみをそのまま利用することで農産物を作っていくという研究をするわけですから、とりわけ環境学とは関連が深く森林科学や環境科学についても深く学ぶことになります。
反対にミクロな視点で農産物などを見るバイオテクノロジーの分野もかなり進んだ研究をすることになるため、在学中には大きな視野から小さな世界まで広く勉強の範囲をもっていくことになるでしょう。
また農学部においてもより専門的な知識を研究する学科が設立される傾向も進められており、例えば農芸化学分野や、農業工学分野、また今後大きな注目を受けることになりそうな農業経済学の分野について専門的に学べる学科が全国で設置されてきています。
農学部に入学するための準備
農学部を受験するためには当然農学部がある大学を探すことになりますが、その多くは国立大学となっています。
受験科目として重要視される傾向にあるのはやはり「理科」科目であり、生物・化学・物理の中から選択をして受験するという方式になっている大学がほとんどです。
加えて外国語(英語)も重要な配点となっているので、農学部に入りたいなら理科と英語は点数を高めるようにしておくことがよいでしょう。
他にも国語や数学も受験科目となっていることが多いのでまんべんなく勉強する必要があるのは言うまでもありません。
現在日本国内にある農学部のうち、もっとも難易度が高いとされているのは東京農工大学の農学部です。
また東京大学の理二類も農学を学ぶための学部となっています。
関西地区なら京都大学の農学部が最難関とされています。
ただし農学部は実際に農産物に触れることができる施設があるところに人気が集まる傾向にあるので、北海道地区や信州地区などの農学部がある学校は全国的に人気の地域となっています。